最近では省エネやコストパフォーマンスの観点から、蛍光灯からLEDに交換する店舗が増えてきています。
LEDに交換する際、電球タイプなどはお求めやすい価格帯で手に入ることもあり手軽に切り替えることができるようになってきました。

しかし、店舗の照明をLEDに交換する場合は、自宅のLED化とは異なる様々な注意点があります。そこで今回は、店舗のLED化や照明交換をする際に気を付ける点について解説していきます。

店舗のLED化で気を付けることは？

店舗でLED化を行う際にはどのような事に気を付けるべきなのでしょう？

LEDは寿命が長いことやコストを抑える効果がありますが、店舗の照明をLEDに切り替える際には「商品や店舗がどのように映るか」ということを考える必要があります。

ここでは、店舗ならではの照明効果について気を付けておきたいポイントを解説していきます。

店舗内の明るさ

LED化する際に気を付けるべき要素のひとつに「店舗内の明るさ」があります。

LEDは「照射範囲が狭い」という特性があり、明るさを考慮する際に気を付ける必要があります。従来の蛍光灯や白熱球と比べ明かりを照らす範囲が狭くなる事を覚えておきましょう。

また、店舗の環境として「フロア全体や手元が見渡せる明るい雰囲気」が必要なケースや「薄暗く落ち着いた雰囲気」を演出する必要があるケースなど、必要に応じて明るさを変える事が大切です。

例えば学校やオフィスでは、作業効率を高める事や視力向上の観点から一般的には150〜200lux以上の照度が必要となります。また、飲食店の厨房や病院の診察室などでは500lux以上が推奨されています。

これらの照度の目安は国家規格により定められてもいますが、法律の観点からという以上に「必要な明るさの目安」として考えるとよいでしょう。

落ち着いた雰囲気のバーや飲食店など、明らかに照度が規定を満たしていないお店もありますが、このような場合でも国の基準以下だからとして特に処罰を受ける事はありません。

しかし、特に暗いと感じる10lux以下の飲食店などでは「低照度飲食店」とみなされ、風俗店営業に該当します。

仮に風俗営業にあたるケースでは、店舗の所在地を管轄する交換委員会に許可を取得する必要があり、無許可で営業した場合は処罰の対象となりますので注意しましょう。

商品の見え方

来店型の店舗でLED化をする場合には「店舗の雰囲気」「商品の見え方」の工夫も大切な要素と言えます。

・色温度

色温度とは、太陽光や照明などの光源が発する光の色を表すための尺度のことで、電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色の5種類があります。照明では電球色、昼白色、昼光色が一般に販売されており、LED照明も同様です。

電球色の色味は黄色やオレンジの暖色系の光で暖かく落ち着いた雰囲気、昼白色は自然な光、昼光色は青味かかった寒色系の光で涼し気な印象を与えます。

客層やサービス内容に合わせて照明の色温度を選ぶことをお勧めします。

・演色性

演色性とは、照明で物体を照らすときに、自然光が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す指標です。「演色性が高い＝本来の色に近い」ということになります。

この演色性の違いで、商品の色がどのように見えるのかが変わってきます。
例えば、果物や野菜を太陽光のもとで見たときは色鮮やかで美味しそうだったのに、蛍光灯の光のもとで見たときは印象が違って見えたという経験はないでしょうか。

美容院やネイルサロン、アパレルの店舗で演色性の低い照明を使用した場合、髪色や爪色、洋服の色が、店舗内と外に出たときで異なる色に見えてしまい「お店で見た色と違う！」とクレームになる可能性があります。

最近では、LED電球・LED蛍光灯などに、演色性の評価について記載しているものが増えてきていますので、食べ物をより鮮やかに見せたい、人の顔色を健康的に見せたい、など商品やサービスの内容に適した照明を選ぶようにしましょう。

照明のスタイル

店舗に使用される照明にはさまざまさなスタイルがあるのをご存知でしょうか？
代表的な照明のスタイルとしては以下の種類があります。

・ペンダントライト

天井から吊るすタイプの照明。他の照明とは異なり低い位置に設置するため、視界に入り照明のデザインが際立ちます。飲食店や雰囲気を演出する店舗などで使用されます。

・シーリングライト

天井に直接取り付けるタイプの照明。照度が必要なフロアなどに設置するケースが多い種類です。

・スポットライト

商品や注目すべき箇所などを照らす照明です。雰囲気を演出する際にも効果的な照明になります。

・ダウンライト

天井に埋め込むため、圧迫感なく天井に収まります。光源が小さく奥まっているので間接照明として使うことが多い照明です。

・シャンデリア

店舗でゴージャスな雰囲気を演出する際などに使用される照明の種類になります。

このようにLEDにもさまざまなスタイルがありますので、店舗の雰囲気に合わせた種類を選ぶ事も大切です。LEDを導入時にはお店の雰囲気とミスマッチにならないよう、選ぶ照明の種類についても考えてみるとよいでしょう。

導入コストについて

店舗をLED化する際には、導入コストについても気を付ける必要があります。
LEDは従来の蛍光灯や白熱球と比べ長寿命な反面、照明の価格は高くなります。さらに、LED化のために工事も必要になりますので、店舗全ての照明を一度に交換するとコストも高額になってしまいます。

一方で工事不要なタイプのLED照明を使用すると、電気代が余分にかかることがありLED化する際のメリットが得られないことがあります。
一度に全て取り替えるのが難しい場合には段階的に切り替えることがおすすめです。

また、適切な交換作業を行わない場合には発火事故などに繋がる恐れもあります。
このような事からLED化する際は独断で決めず、まずは専門の業者に予算やスケジュールなどを相談のうえ計画的に切り替える事をお勧めします。

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まとめ

今回は、店舗のLED化や照明交換をする際に気を付ける点について解説しました。

商品の陳列や接客を行う店舗では、お店の環境に合わせたさまざまな照明効果を考慮する必要があります。

また、学校や医療施設など専門知識を扱う職場では必要な明るさが決められていることもご理解頂けたかと思います。

長寿命やコスト削減が期待されるLEDの導入時には、店舗の環境や商品・サービスに合わせて最大限の効果を発揮する施工が必要です。

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