人命を預かる医療機関では、万が一に備えた安全基準をクリアした照明設備が求められます。

看護ステーション（ナースステーション）などのように、緊急時の対応を必要とする設備では24時間照明を点灯させているため、安全面や節電対策からLED照明を導入する医療機関も増えてきています。
それでは、医療機関でLED照明の導入を検討する際、どのようなメリットや特性があるのでしょうか。今回は、医療機関にLED照明を導入するメリットと押さえておきたいポイントについてご紹介していきます。

医療機関にLED照明を導入するメリット

病院やクリニックなどの医療機関でLED照明を導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここではLED化のメリットについてご紹介していきます。

節電しながら明るい医療環境を提供できる

蛍光灯はLED照明と比べて消費電力が大きいため、24時間常時点灯させたり、台数が多くなると電気代がかさみ、経費を圧迫してしまいます。
従来の蛍光灯でよく行われている節電対策としては、蛍光灯の間引きや、あまり立ち入らないエリアの照明をこまめに消灯するなどの方法がとられていました。
しかしこのような方法は、節電効果が得られる反面、施設内が全体的に暗い印象になったり、患者様や施設利用者に不便な思いをさせてしまう可能性があります。
また台数が多い分、球切れによる交換作業などのメンテナンスにも手間がかかってしまいます。
一方のLED照明では、蛍光灯よりも少ない台数で同等以上の明るさを実現できます。
例えば、消費電力40Wの蛍光灯と明るさが同等となるLED照明の消費電力は12～25Wとなるので、蛍光灯1本に相当するLED照明の本数は1.6～3.3本となります。
つまり、LED照明は蛍光灯よりも少ない本数で同等以上の明るさを実現できることが分かります。また消費電力についても、約40～70%も低減できるため省エネにもなります。
このように、LED照明に入れ替えること自体が節電対策となり、蛍光灯よりも少ない本数で院内や施設内を明るくすることができます。
そして多くの患者さんを抱える医療機関にとっては、環境の改善に役立ちます。

CO₂を大幅に削減

温暖化抑制のためエネルギー起源のCO₂削減が世界的にも課題になっている中、医療機関でも診療環境を前提として省エネを推進していく必要があります。医療機関では、診療環境を確保するために多量のエネルギーを使用しており、午前9時～16時の時間帯での消費電力が最も高くなります。
また、医療機関の消費電力で最も大きい割合を占めるのは空調設備の32％になりますが、照明はその次に高い21％となります。
消費電力の小さいLED照明に切り替えると、CO₂を削減でき節電効果だけでなく地球温暖化防止にも役立ちます。

安全性が高い

ライトバーなどのLED照明の素材は、ポリカーボネートというプラスチック製の樹脂素材でできています。蛍光灯はガラス管でできているため割れやすいですが、ポリカーボネートは衝撃に強いため落下しても割れにくい特性があります。
このため、地震などの災害時にLED照明が落下して割れたとしても、蛍光灯や白熱電球のように破片が散乱することはありません。患者さんや医療スタッフの安全を守ることができます。

自家発電の効率も高まる

医療機関では、万一の停電時などに備え自家発電で院内の電力を賄えるよう自家発電設備を備えている施設が多くあります。
LED照明では、従来の照明と比べ少ない消費電力で済むため、より長い時間電力を医療設備へ供給することができます。

このように、節電効果が高く、省エネで環境への配慮に優れ、かつ安全性も高いLED照明は、医療機関でも導入されるケースが増えてきています。

LED導入時に押さえておきたいポイント

医療機関でLED照明を導入する際、押さえておきたいポイントについて幾つかご紹介します。

医療機器に配慮した低ノイズLED照明

医療施設では、精密機器に分類される高度医療機器が多く活用されていますが、これは非常にデリケートな機械です。電磁波などの外的要因を受けやすいため、使用環境の整備が必要
になります。従来の蛍光灯や一般的なLED照明は、電磁ノイズへの配慮がなされていない製品が多いのですが、医療機器に要求されるノイズの国際規格をクリアした「低ノイズLED照明」が開発され、入れ替えが進んでいます。
これにより、従来のインバータ式蛍光灯で問題となっていた電磁波による機器の誤作動がなくなり、医療機器を安心してご使用いただけるようになりました。

器具のサイズ

器具はLED化に伴い小型化されている傾向があります。小型化されていることで生じる問題としましては、元々使用していた器具の跡や取付穴を隠せなくなることです。

多くの場合、蛍光灯器具の後継機は同じサイズですが、一部では後継機がないために類似機種を選定せざるを得ない場合があります。
類似機種となると、サイズが異なる場合がほとんどで、基本的にはLED照明器具の方が小さくなります。

対処法の一つとしては、リニューアル仕様の器具を選定することです。
リニューアル仕様の器具は、例えばダウンライトであれば、つばの幅が広くなっているため、既設器具よりも大きく、オーバーラップできる場合が多いです。
また、蛍光灯器具の埋込穴が大きい場合は、入れ替えるLED器具と天井との間に挟んで固定する「リニューアルプレート」も各メーカーからラインナップとして販売されています。
上記で対応できない場合には、天井の貼り替え等で対応することになります。
LED照明器具を選定する際には、明るさだけでなく、器具のサイズも重要ですので注意が必要です。

LEDの明るさは徐々に低下する

LEDは長寿命を謳っていますが、そもそも寿命の定義を簡単に言いますと「使い始めた時期からの明るさが70%に落ちるまでの使用可能時間」となります。
一般的なLED照明器具の寿命は約40000時間で、1日10時間点灯で約11年間に相当します。照度計算を行った上で導入されたLED照明であっても、時間の経過とともに照度が落ちていき、やがて必要な照度を満たさなくなります。
また、LEDの発光部は放熱設計がなされていますが、設置環境が高温であったりすると、LEDの劣化を促進させてしまいます。ですので、LED照明は半永久的に使用できるものではなく、徐々に明るさが低下していくという特性を十分理解していただく必要があります。
LED照明は蛍光灯や白熱電球の球切れに相当する現象はないため、照度（明るさ）に注意してお使いすることになります。

医療機関では、常時点灯が必要な場所や自家発電設備があることを踏まえて、節電や使用効率を考慮することが必要です。医療機器に配慮した低ノイズのLED照明といったラインナップもありますので、施設や設備に合わせたLED導入プランを検討してみてください。また、LED照明は従来の蛍光灯の器具よりも小さいことや、長時間使用をしていくうちに明るさが徐々に低下する傾向にありますので、その点にも注意しましょう。

LED照明の導入事例

実際にLED照明を導入した医療機関の実例をご紹介します。

医療センター

●直管蛍光灯・コンパクト蛍光灯タイプのLED照明を導入

介護福祉施設

●直管蛍光灯タイプ、コンパクト蛍光灯タイプ、調光式ダウンライトのLED照明を導入

このようにLEDを導入した施設では、施設の規模や状況に合わせたプランで照明効果を高める工夫を行います。

ミラノインテリアにお任せください

病院やクリニックなどの医療機関でLED照明の導入をお考えでしたら、ミラノインテリアにお任せください。
ミラノインテリアでは、ご予算・ご希望に合わせた最適なLED化のご提案をいたしております。
節電効果と合わせて快適な環境作りで患者様、スタッフ様が明るい気持ちでお過ごし頂けるようお手伝いいたします。LED導入をご検討の際は、是非お気軽にお申し付けください。

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まとめ

今回は、医療機関にLED照明を導入するメリットとおさえておきたいポイントについてご紹介しました。
医療機関では緊急時や24時間体制の設備も多くあるため、LED照明に交換することで、節電効果が高まります。また、LED照明はポリカーボネートというプラスチック製の樹脂素材でできているため、万が一落下したときにも割れて飛散することがなく安全です。
また、医療機関で使用する高度医療機器に影響を与えない「低ノイズLED」も開発されています。
クリニックや福祉施設などへのLED導入事例についてもご紹介しましたので、ぜひご参考ください。LED照明の導入をご検討の際は、ミラノインテリアにおまかせください。

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